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コラム 雪国って最高!

vol.40

 大地の芸術祭まっただ中。私にとっては2回目。今回はじっくりガイドブックで研究して回っている。
 最初に手に入れたのが飯山線を舞台にした絵本「幸せのきっぷ」。喪失と希望を描いた、美しく懐かしい物語。この絵本を現実化した土市駅と越後水沢駅にいってみた。夢の中のような小さな無人駅。こんな駅が本当に存在するんだ! その駅が、物語にそのまま現れる。
 駅の隣りにある作品は常設になるという。絵本の中の駅から乗り降りできる人たちは、何て幸せなんだろう。毎日この駅から学校や仕事に通っていたら、優しい人になれる気がする。雪に埋まる頃に、また行ってみたい。雪だるまが待っていてくれそうだ。
 穴場情報:川西・新町新田集落内「あらまち食堂」(8月中、土日の昼オープン)の500円のランチ。お米が雪室貯蔵米で、こんなおいしいご飯は食べたことがない! と感激します。

(2015年8月13日号)

vol.39

 遅刻してきてすみません、と春が言ったのかどうか、そのお詫びのしるしなのかどうか、今年の春は長かった。豪雪地帯でしかみることのできない「雪と桜」や「雪と新緑」の風景、山菜摘み、なにもかもいつもよりたっぷり堪能できた。
 待ちに待った分、庭で過ごす時間も長かった。おかげで、巣立ったばかりのスズメの雛が親鳥からエサをもらっている姿をキャッチ! 池から出てトンボに羽化したヤゴの殻に、少年が手を差し出す。庭にあった大きな蕗の葉っぱを、日傘にする小さな天使。
 夕方や週末になると、家の周りは子供たちでにぎわう。鬼ごっこの歓声、笑い声、ときどき泣き声。鳥たちと、今年初登場のトノサマガエルの声。
 幸せな音に囲まれて暮らしている。たくさんの天使に囲まれて暮らしている。

(2015年6月13日号)

vol.38

 正直に言います。今年の春はちょっときつかった。
 いつまでも寒い、雪が融けない。にっぽん全国桜が開花している中で、時の流れから取り残されたような日々。ああ、雪国って大変、と初めて思った。
 ところが、全く突然に春。あっという間に雪が解け、街中が花であふれる。数週間遅れて雪の下から出てきた池では、メダカたちが元気だった。4ヶ月以上も冷たい暗闇でよく頑張ったね! 
3メートルの雪の重みにつぶれていた植物は、めきめきと芽を出して色づく。まるで瞬きしている間にやってきたかのような季節の変化。
 ウグイスの声を聞きながら山菜を摘み、ああ、ここに暮らしていてよかった、と改めて思う。生ぬるさも、中途半端もない、魔法のような鮮やかさ。雪国って不思議だ!♪

(2015年5月15日号)

vol.37

 なんだか雪融けが遅い今年の春。いつまでも街が色づかない中で、開店以来お客さんが誰も来なかった野鳥のレストランが、突然の大賑わい。
 今のところやってくるのはスズメだけ。でもこの人気は上空から鳥目をひくし、ここは安全だといううわさが広まれば、他の小鳥たちも集まってくる可能性あり。
 稲を食べるときは害鳥、害虫を食べるときは益鳥と勝手に人間にみなされるスズメは、最近数が激減したらしい。食べ物や営巣場所がなくなってきたためではといわれている。せめて我が家のレストランでたくさん食べて、元気な子スズメを育ててほしい。
 厳しい冬を共に生き延びてきた野生の生き物たち。光り輝く季節を一緒に楽しみたい。春の朝、小鳥の声で目覚める幸せ♪

(2015年4月15日号)

vol.36

 雪まつりの朝、庭の雪山を削ってスノーマン誕生。 子供たちがやってきて、一緒に写真を撮っていってくれる。すばらしいお天気。どこからか春の香りが漂ってくるような、雪国びより。
 雪まつり会場をぶらぶらしてみる。大きなカバンを持って、戸惑っているような外国人に遭遇。急遽ボランティアガイドになって、街中を案内した。暑い国からやって来たイスラム教徒の若者は、生まれて初めての雪の滑り台に子供のようにはしゃぐ。宗教や文化が違っても人は皆同じ。一緒に笑いながら楽しいひとときを過ごした。一部の極端に暴力的なグループに惑わされて、偏見を持ってはいけないと確信する。
 スノーマンも若者もあっという間にもと来た世界に帰っていった。厳しかった冬の終わりに、心温まる思い出を残して。

(2015年3月14日号)

vol.35

 真冬の風物詩・節季市に今年3回行った。ちんころ市が4~5軒も出ていて、どの店も大混雑。それぞれ個性的な作品が並び、選ぶのが難しい。ちんころのいいところは、雪融けの頃には割れてしまうことだと思う。その雪のようなはかなさが、春待つ心に通じる。
 今年の発見はお惣菜の店。自分では作れない、山の幸をふんだんに使ったふるさとのごちそう。毎回いろいろ買って、おいしく頂く。
 本当は竹の籠がほしかった。でも値段的にちょっと躊躇してしまう。来年は頑張って小さいのをインテリアに使おうかな。竹の籠を買う時は、雪の日にしようと思う。お天気がいい方が人通りが多くなって楽しいのだけれど、でも、節季市にはどんどこ雪が降っている方が似合う気がしている。

(2015年2月14日号)

vol.34

 念願だった野鳥のレストラン開店。庭の雪の高さがいい感じになったところで、スノーシューでその雪山に登って、ヤマボウシの上のほうに鳥のえさ箱をぶらさげた。メニューはヒマワリの種と古い玄米。どんな鳥が来てくれるのか、わくわく待つ。
 でもお客さんが誰も来ない。開店休業中。宣伝が足りないのだと思う。どうしたら鳥たちに気づいてもらえるのかわからない。
 鳥は来ないけれど、雪は降り積もる。小さな屋根の雪下ろしをして、周りに空から見えるように大きなハートマークをつけて、すごい宣伝をしたつもり。
 雪国の鳥たちは、食べ物が見つけられなくて困っているはずなのに。鳥のみなさん、ここにごはんあります。来てください!
 どなたか、いいアイディアのあるかたいませんか?

(2015年1月16日号)

vol.33

 初雪の翌朝。カーテンをさーっと開ける。昨日まで雪囲いで光の量が減っていた家の中が、白く輝く。
 外に飛び出して、灰色の空から次々と落ちてくる雪を口に含む。白いキャンバスにこの冬最初のにょろにょろ歩き。最初のハートマーク
 英会話クラスで「一番好きな季節はいつ?」と英語で質問し合う。私の答えはいつも「これからくる季節」
 なにしろどの季節も1年ぶり。すっかり忘れていることもある。
 だから今は、真冬が恋しい。窓の外がすっぽりと雪に埋まる時。そのなんともいえない安心感。母の腕のなかに柔らかく守られているような。庭の雪の下で眠っている植物や虫たち、池のメダカたちの静かな鼓動が聞こえるような、心暖かい季節。
My favorite season is mid-winter now!

(2014年12月13日号)

vol.32

 10月31日ハロウィーンの夜。どの家もハロウィーンの妖精を玄関に飾り、お菓子をたくさん用意して待ち構えていた。
 ピンポーン! ちっちゃな魔女と黒猫がやってきた。通りのあちこちで「トリックァトゥリー」が聞こえている。街灯の光の下に、オレンジ色のとんがり帽子や、水色やピンクのプリンセスが浮かび上がる。みんな持ちきれないほどのお菓子を抱えている。いつもは静かな住宅街の通りが、幻想の世界に変わっていた。
 子供たちが楽しく笑いながら育っていく社会は、成熟した健全な社会だ。遠くからやってきた見知らぬ子供たちにも隣の子供にも分け隔てなくお菓子をあげる。子供たちは安心して知らない家のチャイムを鳴らす。厳しい季節を前にして、大人も子供も心を暖めた一夜だった。

(2014年11月15日号)

vol.31

 10月31日はハロウィーンのお祭り。海の向こうの国では、暗くなるとともに大きなかぼちゃをくりぬいたランタンにキャンドルを灯す。
 ピンポ~ン! ドアを開けると、小さな白雪姫が私を見上げて言った。
「トリックァトゥリー!」(お菓子くれないといたずらしちゃうよ!)
 それから次々と思い思いの変装をした子供たちが何十人もやってきた。暗闇の中をおばけや天使、海賊が歩き回る不思議な夜。
 どの家もこの日のために1ヶ月も前から黒猫や魔女で家の周りを飾りたてる。子供たちはお菓子を集めまくる。
 朝晩は暖房がほしくなる頃、冬に備える季節の一番最初にやってくる夢のように楽しい行事。今年、我が家の前の通りでハロウィーンのお菓子狩りをやってみようと思う。
 覚えてほしい言葉は「トリックァトゥリー!」

(2014年10月16日号)

vol.30

 異常気象の夏だったが、野菜のおいしさに目覚めた夏でもあった。それはたぶん、私がへたくそな野菜作りをあきらめたせいかもしれない。おかげでいただくこととなった手作りのトマトや枝豆、きゅうりの味には心底驚いた。これこそが野菜だ! 
 近所の軒先では自家製の朝採り野菜がいつでも安く手に入る。野菜を売りにきてくれる高校生たちとも知り合った。授業で作ったとうもろこし、北海道のよりおいしかったです! 
 料理は嫌いと宣言していたが、この夏はよく料理をした。素材がいいと、腕がだめでもおいしくできることがわかったから。都会の最高級食材店では決して手に入らないすごいものを毎日山ほど食べられる幸せ、皆さんお気づきでしたか?

(2014年9月13日号)

vol.29

 へんてこな虫に出会った。名前は「からむし」
 虫じゃないよ、植物だよ。違うよ越後縮だよ。ちがうちがう、うどんです。
 博物館に行くと「からむし」という植物の茎から繊維を取って麻織物に織り上げる行程がわかる。考えてみたらお風呂のボディタオルはからむしタオルを使っていた。肌にやさしく気持ちいい。
 からむしの若葉をゆでて刻むとネバネバがでると聞いてやってみた。納豆に混ぜると栄養豊富になる。
 そして冷やしからむしうどん。色は淡い抹茶のようなさわやかグリーン。なので麺つゆは色を薄めにして、盛りつけるお皿も白にすると涼しさが増す。ミネラル豊富な夏バテよけ麺。
 この変わった名前の万能植物、何百年も昔から栽培され、この地方の名産品、縮織物となっていたのだった。身近な歴史に思いを馳せる夏。

(2014年8月13日号)

vol.28

 モリアオガエルに恋してる。2年前に秋山郷で偶然出会った美しいカエル。水辺の木に登って卵を枝に産みつけたあと疲れ果てて休憩していたらしく、カメラを近づけても動こうともしなかった。
 それ以来、産卵の様子を見たいと狙っているのだけれど、いつも出遅れて、今年も最初の卵塊を見つけただけで終わった。
 その卵塊、最初はふわふわに泡立てたメレンゲのように真っ白で、それが周りの木々の緑を映して薄緑色に染まる。その泡の中で卵は成長し、ある日オタマジャクシとなって下の池に落ちる。自然の不思議さに心を打たれる、初夏の風物詩。
 ウグイスとカッコーの声を聞きながら山の中をうろついて、恋するモリアオを捜すのが、山菜が終わった季節の最高の楽しみとなった。

(2014年7月15日号)

vol.27

 私のふるさとを見たいといってくれた友ひとり。母ほども年の離れた彼女をどこに案内しよう? 結局、車でアクセスできる好きな場所はすべて回った。
 美人林を歩いていたとき、彼女が見つけたのがこの写真の黒ねこ。ブナの木の幹にしがみついている! ように見えるそれはたぶんコケかなにかによる自然の造形。
 星と森の詩美術館の外のテラスで、遠くの山々を眺めながらコーヒーを飲み、神宮寺の茅葺き屋根の形状の美しさにみとれる。野菜が新鮮! 山菜がおいしい! 彼女は何でも喜んでくれた。木星と火星も見てもらった。
 都会に戻った彼女から、まだ余韻に浸っている、幸せな癒しのひとときだったとメールが届いた。

(2014年6月14日号)

vol.26

 インディアンの画家が描いた「私の一番好きな場所」という絵を持っている。 深い森の中に少女が座っている。周りの高い木々の葉を通して陽の光が彼女に降りかかり、ほとんど白と黒だけの絵の中に静けさと夢と哀惜が満ちている。
 かつてその絵を見るたび、私の一番好きな場所はふるさとの春の山だと感じていた。何千キロもの距離と半世紀もの時間に遠く隔たれていた世界。
 今、私はそこにいる。残雪と新緑、うぐいすの声と山の恵み。そういう場所があること、そこに戻ってこれたことはなんて幸せなんだろう。毎朝目覚めるたび、ここに生きていることのすばらしさに感動している。
 皆さんの「一番好きな場所」はどこですか?

(2014年5月15日号)

vol.25

 今年は春の訪れが早い。拍子抜けするほど雪の少なかった冬に不満だったが、こうなってくると、とことん春がうれしい。
 3月中に、まだ根元が雪に埋まっている庭木の雪囲いを強引に外した。それだけでは足りなくて、お隣とお向かいの庭にまで手を出した。ワーイ! といいながら木が青い空いっぱいに枝を広げるその瞬間がすごくいい。
 冬の間行きそびれていた神宮寺を訪れる。本堂の由緒ある雪囲いはまだそのままだったが、周辺の木々は春を迎える準備進行中。
 囲いを取り忘れられたらしき細い木1本発見。はさみを持ってくればよかったと、余計なお世話なことを考えてしまった。

(2014年4月15日号)

vol.23

 月初めにアメリカに行ってきた。この冬、北米大陸は大寒波に襲われている。雪で食べ物が見つからないのか、どの家の庭も鳥の餌台が大賑わい。あの国には色鮮やかな鳥が多い。赤いカーディナル、ブルーバードという名前の青い鳥、黄色や虹色。
 昔、ブルーバードを撮影するのに夢中になっていたことがあった。この写真は、本物の青い鳥の卵。長径2.5センチほどの宝石。
 日本はもう春の気配かなと思いながら帰ってきたら、雪だった。そういえば雪国の鳥は冬の間どうやって餌を採っているのだろう?
 もうすぐ鳥たちがさえずり始める季節に突入だけれど、次の冬には餌台を用意してみようかなと、新たな冬の楽しみの計画が生まれたのだった。

(2014年3月15日号)

vol.22

 真夜中。遠くからごおぉぉ~~ と響いてくる音。ああ、除雪車が来た。半分以上眠ったままで私は両手をあわせる。寒い中ありがとうございます。そのまま暖かいベッドの中でぬくぬくと眠りに戻る。
 夜が明けても降り続ける雪。せっせとスノーダンプを使っても、使ってもきりがない。永久に終わりそうにない。
 そこに除雪車、2度目の登場。あっという間に道路がきれいになる。雪国のヒーロー。ご近所のおじいちゃんが温かいコーヒー缶を差し入れる。心があったかくなる。
 今年はヒーローの出撃回数が少ない。雪が少ないことにちょっぴり不満をもっているのは、ひょっとして私だけかもしれない。

(2014年2月15日号)

vol.21

 この土地の新しい慣習に目覚めた。餅まき。上棟式のたびに行なわれる餅まきは、豆まきに似ている。
 昔は節分の日に近所のあちこちの家で、子供たちにお菓子をまいてくれた。たいていは素朴なあめ玉、時々紙に包んだ五円玉があって大喜びした。今よりずっと深い雪に埋まっていた数カ月、まだまだ遠い春を感じる最初の楽しい行事だった。
 餅まきは豆まきより楽しい。大人がお菓子を拾っていいのだから。紅白の餅が天に舞い、それに子供のように両手を差し出す大人たち。ものすごく素朴で、ものすごく楽しい。そしてみんな笑っている。
 豆まきが大人も交えて復活すると面白そう。

(2014年1月15日号)

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